千年一酒造株式会社

古事記に国生みの島として登場する淡路島は、新鮮な魚、山の幸に恵まれた豊かな島です。そんな淡路島には、元々50軒あまりの酒蔵がありましたが、酒消費の低迷と共に数は減少して今では、当蔵を含めて2軒だけになりました。そんな私たちが目指しているのは、淡路島だからこそ、規模が小さいからこそできる酒造りです。
淡路酒探偵団が栽培した五百万石を使った「千夢酔」を始め、淡路島産の酒米のみを使った酒を造っています。地元の土と水で栽培した米、水を使った酒は、淡路島の味。
島に根付く小さな造り酒屋として今後も淡路島産にこだわった酒造りを続けていきます。

INFORMATION
酒蔵情報

LANDSCAPE
風土の特徴

山の幸・海の幸、自然に恵まれた淡路島

灘五郷とよばれる日本酒の名産地の名水、宮水と同質の鍾馗山(しょうきさん)の山水、最良の米、杜氏達の手の温もりを感じる麹とで漁師の町に似合う旨い酒を造り続けています。

淡路島の味(テロワール)①

自然に恵まれた淡路島の米所「鮎原」で、地元の若き農家が、淡路島初となる酒米の王様「山田錦」作りに挑戦。その若きチャレンジャーの夢と想いを胸に、丹精込めて醸した純米酒「穂」。上質な口当たりとキレのある味わいの酒になっております。

淡路島の味(テロワール)②

淡路島の米どころ、生田村。天然の源氏蛍が生息するこの地で、化学肥料を使わない緑肥栽培で作った酒米「五百万石」。淡路島産の五百万石を使った「純米吟醸酒 郁」は、吟醸らしい華やかな香りと淡麗な味わいです。淡路島の新鮮な魚と一緒にお楽しみいただきたいお酒です。

STORY
歴史とこだわり

再建と酒造りへの思い

阪神淡路大震災で当蔵は多大な被害を受けました。仕込み蔵では天井が崩れ、上を見れば青空が見えるほどでした。一月は仕込み真っ最中。タンクのほとんどが傾き、お酒のほとんどがダメになってしまいました。当時、この壊滅的な被害を受けた蔵を見て、そろそろ潮時かもと廃業することも考えました。 しかし、淡路酒探偵団の皆様から預かっていた大切なお米の仕込みだけでもと、蔵の中で当時の蔵人、杜氏さんが仕込みを再開しました。そうしてできたお酒が千夢酔。できた千夢酔を酒探偵団の方と飲み、まだまだできることはある。そう思い蔵を再建していくことを決め ました。千夢酔があったから、今の千年一酒造があると思っています。

『あるがままに』と『どれだけ思いが続くか』

昔ながらの造り酒屋と呼ぶにふさわしいたたずまいで手造りにこだわり、伝統の技を頑なに守りながら常に誠実をモットーに高品質の酒造りを続けられています。上野山社長とのお話の中で、「『あるがままに』だな」。昨今の温暖化、夏の暑さ、米は固くなる...。「米が割れて仕方がない。」原料処理に気を揉むといいます。「それでもすべてを受け入れて『あるがままに』臨機応変に対応していくしかない」という言葉が印象的でした。そしてもうひとつ。酒造りは『どれだけ思いが続くかだ。』という言葉。どれだけ思いを込めながら、酒造りで続けられるかで仕上がりは変わってくるというお話でした。酒造りに対する熱量というか、愛情というか、圧倒されました。

全国新酒鑑評会で5度金賞を獲得

2000年、2001年、2011年、 2012年、2015年金賞を獲った『千代の縁』                       ※『全国新酒鑑評会』とは、新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的に毎年行われている鑑評会です。