合名会社岡田本家

岡田本家は1874年(明治7年)に加古川市で 酒造りを創業。昭和40年代には加古川市内にも14軒の 造り酒屋がありましたが、現在では加古川で唯一存在する酒蔵です。
2010年に創業時からの銘柄「盛典(せいてん)」を復活させ、2020年には大阪国税局清酒鑑評会燗酒部門で優秀賞受賞、全国新酒鑑評会で入賞するなど丁寧な酒造りは評判です。地元加古川の伏流水と兵庫県産の 米を100%使用した地産地消の銘柄を、杜氏・蔵元・蔵人のたった三名の少数精鋭で造りあげています。

INFORMATION
酒蔵情報

合名会社岡田本家
  • 合名会社岡田本家
  • 加古川市野口町良野1021

LANDSCAPE
風土の特徴

目指す酒は地産地消の酒造り

今の「盛典」は兵庫県産の酒米100%にこだわり、山田錦、自社栽培の五百万石を使用して、水は地下50mから汲み上げてくる加古川の伏流水を使用して酒を醸しています。酒米の栽培、醸造から瓶詰まで一貫して生産することで、品質にこだわり、安心・安全に飲んでいただける商品づくりをおこなっています。

目指す酒はサラッとしたきれいで飲みやすいタイプ。

麹の造り方や酵母の選定など日々試行錯誤を繰り返しています。こだわりといえば、酒造りでもろみを搾るときに、圧を加え過ぎないように心がけています。たくさんの量が取れますが、搾り過ぎると雑味が出てしまいます。量よりも品質を一番に考えています。

STORY
歴史とこだわり

加古川唯一の酒蔵の再出発

戦後は大手酒造メーカーの下請けを始めたため、「盛典」の販売はストップ。日本酒消費量が落ち込み、下請けでの製造もなくなるので蔵を閉めようという話もありました。 しかし、ちょうどその頃、加古川にもう1軒あった酒蔵がなくなり、うちが最後の1軒になってしまったんです。加古川にも一時は酒蔵が14軒ほどありました。「ゼロになるのは寂しい」と、地元の方々からの思いを受けて、平成22年(2010)に1人で酒造りをスタートしました。当初は販売先もなく、営業する暇もありませんでしたが、周りの方が自腹でお酒を買って、居酒屋や酒屋さんに持ち込んで「加古川でこんなお酒を造っているところがあるよ」と営業してくれたんです。

加古川の人に愛されるお酒を目指して

「盛典」は、地下50メートルからくみ上げる水と、兵庫県下の契約農家さんや兵庫県立農業高校の生徒が育ててくれた山田錦、そして自社栽培米「五百万石」を使って仕込みます。今後はより蔵に近いところでとれた酒米を使いたい。そうすれば加古川で農業を志す若い人たちを支えることができます。お酒を造る水とお米を作る水は、近ければ近いほど相性がいいですから。 酒造りを続けられるのは、加古川の人に愛されてこそ。一番飲んでほしいのは、やっぱり加古川の人たちです。酒蔵にも気軽に足を運んでいただけたらうれしいです。