株式会社 中勇(なかゆう)酒造店

数々の賞に選ばれ、全国的に高い評価を得ている中勇酒造店。
2026年には120周年を迎え、着実に成長を続けてきました。
この酒蔵が目指すのは、「淡麗ですっきりした味わいの中に、お米のうまみを感じられる」もの。蓄えてきた経験とデータで、よりよい日本酒づくりのため日々力を注いでいます。そこで今回は専務の中島崇文(なかじま たかふみ)さんにお話を伺いました。

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◆近年の受賞歴◆
◇天上夢幻 旨口 特別純米
 2023 SAKE COMPETITION 純米酒部門 GOLD 受賞
 2022 宮城県清酒鑑評会 県産米・純米酒の部 宮城県知事賞(最高賞)受賞
 2021 ワイングラスでおいしい日本酒アワード メイン部門 金賞受賞

◇天上夢幻 純米吟醸 吟のいろは
 2025 ワイングラスでおいしい日本酒アワード プレミアム純米酒部門 金賞受賞

◇天上夢幻 純米吟醸 蔵の華
 第2回 美酒コンクール2024 ライト&ドライ部門 金賞受賞

◇天上夢幻 純米吟醸 にごり酒
 ミラノ酒チャレンジ2024 プラチナ(最高位)受賞
 マニフィカ賞(にごり部門最優秀賞)受賞

INFORMATION
酒蔵情報

  • 株式会社 中勇(なかゆう)酒造店
  • 〒981-4241 宮城県加美郡加美町字南町166番地

LANDSCAPE
風土の特徴

お米にふれる水はすべて、奥羽山系の伏流水(湧き水)

青森県から福島県まで、約500キロにも連なる奥羽山脈。豊富な雪解け水が地下をめぐり、良質な伏流水(湧き水)を生み出しています。 中勇酒造店では洗米・蒸し・仕込みなど、お米にふれるすべての工程でこの水を使用。その総量は1日あたり7000リットルにも及びます。 東日本大震災を経て「この湧き水が当たり前のものではない」と、大きな感謝を抱き日本酒造りに励んでいます。

地元のお米を活かし、よりよい日本酒をつくる

ここ宮城県加美町は、自然豊かな山間部と肥沃な田園地帯が広がる地域。中勇酒造店で取り扱うお米は宮城県産が8割、その中の2割が加美町産になります。 お米の品質は、その年の気候などによりどうしてもバラつきがでてしまうもの。それらと真摯に向きあい、理解し、対応することで高品質な日本酒を生み出す。それこそ、「この仕事の面白味であり、杜氏の腕の見せ所」。と中島専務は話します。

多くの積雪による寒冷な気候が、華やかな香りを引き出す

中勇酒造店がある宮城県加美町は県内で最も積雪が多く、良質なお米が採れる地域。石造りの外壁には保冷効果があり、華やかでフルーティな香りを引き出す長期低温発酵に適した環境となっています。 発酵には約3週間から1ヶ月ほど。もろみのタンク内に入れる麹、蒸米、水は3回に分け、ゆっくりと発酵させた「三段仕込み」です。

STORY
歴史とこだわり

日本酒を伝統のままにしない。革新的な試み

時代は洋酒全盛期、「日本酒もオンザロックで飲めないだろうか?」と、日本酒の新たな可能性を模索して新商品の開発に取り掛かりました。 昭和50年ごろ、試作品を登山仲間と山頂で飲んだところ、画家・登山家の先生が絶賛。「天の上で夢か幻を見ているようだ味わいだ」との一言から【天上夢幻】を命名。以後、30年に及ぶベストセラー酒になります。

日々、小さな積み重ねを続ける。その細部に魂が宿る

専務の中島崇文(なかじま たかふみ)さんは、子どもの頃からこの酒蔵で育ちました。遠方からこの酒蔵を見学にくる人達を見て、実家のお酒に誇らしさを感じていたと言います。その後、大学では食品化学科へ進学。これまで捨てられていたような食材をどうすれば活かせるのか?という研究に着手。この経験を活かし、よりよい日本酒造りのため工夫を積み重ねています。 「いまでは、シンプルに『美味しい』という言葉をもらえた時、そして賞に選ばれた時に喜びを感じられますね」と話してくれました。

伝統的な製法と、それを維持する信念

当社の酒造りで印象的なのが「直火和釜蒸し」。昨今ではスチームで蒸す酒蔵が多いなか、ここでは高圧力を実現する伝統的な直火和釜にこだわっています。 この和釜の性能を維持するために、重要になるのがメンテナンス。伏流水が蒸発した後、わずかでもミネラルが残ります。 それらを放置すると、熱が伝わりにくくなるため釜を磨くのは毎日。一つ一つの工程を丁寧に積み上げた末に、多くの人に愛される日本酒ができあがります。