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日本酒の「仕上げ」で味が変わる
一般的な日本酒はその完成度を高く仕上げるために、
火入れ、濾過、加水など様々な工程が必要です。
つまり洗練された味わいへ整えています。
一方、原酒・無濾過・生酒はあえて整えず、
素材そのままを楽しむ日本酒。
前回ご紹介した通り、生酒とは「火入れをしない日本酒」のこと。
つまり製造方法、仕上げの違いなんですね。
なんの加工を施していない無濾過生原酒は、
日本酒の「すっぴん」みたいなもの。
完成された美もあれば、
個性的な美があるように、
さまざまな楽しみ方があるのが日本酒のいいところ!
そこで今回は製造方法の違いを解説していきます。
これを読めば一般的な日本酒の魅力も際立つはず!
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日本酒の製造工程で種類が変わる!
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数ある製造工程の中から、代表的な3点に注目しました。
■ 火入れとは?
2度の加熱殺菌処理。酵素の働きを止めて味の変化を防ぎ、品質を安定させます。長期保存が可能です。
■ 濾過とは?
色・雑味・香りを調整し、見た目と味をクリアに整えます。活性炭で不要成分を取り除きます。
■ 加水とは?
水を加え、アルコール度数を調整(通常15度前後に)します。また味わいをまろやかに仕上げます。
これらあえて行わなかったり、
タイミングをずらすことで、
下記のように種類が変わります。
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日本酒の「仕上げ」で変わる用語一覧
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種類
特徴
味わい
オススメの料理(個人的見解)
原酒
└ アルコール度数の調整をせず、加水しない酒(17〜20度ほど)
└ 味わい濃厚。ロックやソーダ割りにも合う
└ 濃い味の肉料理、焼き鳥とどうでしょう?
無濾過
└ 活性炭濾過を行わず、香味や色合いをそのまま残した酒
└ やや黄色がかることも。香り高く複雑な味わい
└ チーズや白子ポン酢。濃いものをスッキリ!
無濾過生原酒
└ 濾過・加水・火入れを全て行わない個性そのまま
└ フレッシュ&パワフル!
└ 鍋料理や塩辛。冷やしてガツンと
生酒
└火入れ(加熱殺菌)を一度もしていない酒
└ 酵素が生きており、要冷蔵。鮮烈な香りと口当たり
└ 刺身、カルパッチョ。季節の一杯を
生詰
└ 火入れ後に瓶詰めするタイプ(火入れ一回)
└ 生酒より安定しつつ、フレッシュ感あり
└ 煮物や焼き魚。冷やして上品に
生貯蔵酒
└ 出荷直前だけ火入れするパターン(火入れ一回)
└ 軽快な飲み口と爽やかな風味
└冷しゃぶ、冷奴。さらりと昼飲みにも
にごり酒
└ もろみの一部を残して瓶詰め。見た目が白く濁っている
└ 発泡タイプもあり。にごりの度合いは様々
└ すき焼き、天ぷら。にぎやかな場に
おりがらみ
└ 搾った酒に「おり(米や酵母の沈殿)」を残したタイプ
└ にごりよりも控えめで、香味に厚みが出る
└ カラスミなど、通向け。鼻先をくすぐる香りを楽しんで
しぼりたて
└ 搾った直後に瓶詰めし、すぐ出荷する酒
└ 季節限定が多く、荒々しくもみずみずしい
└ 炙り魚、ネギ塩系。旬とあわせてどうぞ!
そして、下記の「あらしばり」「中汲み」「責め」は搾る箇所の違い。
あらしばり
└ 搾り始めの酒。ガス感がありジューシー
└ 季節限定。荒々しくも華やか
└ 餃子、エスニックなど、スパイシーにあう
中取り(中汲み)
└ 搾りの“ちょうどいい”部分のみを採った酒
└ バランス良好で、上質な味わい
└ 和洋どちらにもよくあう。贈り物にもぴったり
責め(せめ)
└ 搾りの最後の部分。旨味が濃く、雑味が出ることも
└ 玄人向け。しっかりとした味わい
└ 煮込み料理・レバーなど、濃い味に負けない一杯
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保存や飲み方のポイント
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「無濾過生原酒」や「生酒」などは、要冷蔵・できるだけ早めに飲むのがおすすめです。
冷やして飲むと香りも立ちやすく、フレッシュさを存分に味わえます。
開栓後はできれば数日以内に飲みきりましょう。
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まとめ:作り方を知ることで、日本酒選びはもっと楽しくなる!
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- 原酒:加水せず、濃さをそのまま
- 無濾過:香味・色を残す
- 生酒:酵素が生きていてフレッシュ
こうした仕上げの工程を知ることで、
自分の好みに合った日本酒選びがもっと楽しくなります!
ぜひ“仕上げのキーワード”にも注目してみてください。
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